シュレティンガ―・無職

私は無職なのか、それとも。

超9月1日であろうハイパー 〜冬眠から目覚めたくま〜

人類の悪意みたいなものを石英みたいに固めてたその中で、ミノムシみたいに縮こまっておりました。その空間はいわゆる普遍的な人間活動と呼ばれるペンペン草も生えない荒れ果てた荒野と、無職/ニートと呼ばれる肥沃な大地とのちょうと[はざま]でありまして、わたしはそこから目を光らせ、人類の悪意を見つけては恐ろしくなり、みのを石英で強化させ、自身と向き合うという大義名分を掲げてはヨギボーのような柔らかくふわふわとした甘えを溜め込んでおりました。次第にわたしは目を閉じて[はざま]の観測さえも怠惰するとたちまち肥大したヨギボーは意志を持ち、反乱よろしくわたしごとみのの外に追いやろうとするものですから、悪意の石英がちくちくとたまりません。たまらず外に出ると四百年は経過していたのか、高層ビルが立ち並ぶ近代的なディストピアになっておりまして、聡明な読者様におかれてはもうお気づきかもしれませんが、要は何を言いたいかというと職場に復帰しましたよね、というお話でございます。

 
 
新しい女性社員が増えていて、わたしよりも2歳年下なのですが、一人称がボクで初めて現実世界でボクっ子を見たわたしは何だかとてもファニーな気持ちになりました。何だかとても、ファニーな気持ちになりました。いろいろと感じたことはあるのですが、いざ文章にしたためようとすると全部ファニーに変換されるので、ようやくこの感情が嫌悪であると理解しました。この感情は大切に育みたいと思います。
久しぶりの復帰なので、仕事が終わってみんなで食事をすることになった。オシャレな居酒屋でボクっ子とFIREの話をして、将来は田舎でピーマンを育てながら生活をしたいという話をした。堅実なボクっ子だなぁと思う。ピーマンも苦いのに食べれて偉い。わたしは何がしたいのだろうな、何だか違うジャンルのゲームというか、ある種の疎外感を感じる。誰も手をつけていないセロリスティックをかじると、ピーマンみたいな味がした。40代後半の上司とボクっ子が席を立ち、店の外に出て行ってしまって5分ほど。ちょうど家族から電話があったので、私も店をでる。この居酒屋は路地の奥にある隠れ家的なお店で、まわりは薄暗く、人通りも少ない。お店の入口でぼうと光る提灯が、どこかの国のおばけみたいにゆらゆらゆれている。店の前で電話するのもはばかれるので、ちょいと脇に入ると、店の裏手に続く細い通路があって、そこで上司とボクっ子が尋常じゃないくらいいやらしい行為をしていた。わたしは、うひゃああと叫び声を上げた。人はびっくりの許容量を超えたとき、うひゃああと声を上げるのだ。バビョーンと吹き飛ぶわたしと2匹のいやらしいガマガエル。もう仕事したくないなぁ。