シュレティンガ―・無職

私は無職なのか、それとも。

5月30日であろう 〜洗濯機というコンテンツ〜

洗濯機がおそらく故障した。

脱水完了後に洗濯物をびちゃびちゃにするヤンチャなヤツになってしまったのである。家族は買い替えダァ!と紅のテンションなのですが、必ずそうなるわけでもなくて、7回に1回くらいの確率でびちゃびちゃになる。つまり1週間に一度は手動で再脱水操作が必要なわけですが、わたしとて人の親。これは非行の始まりなだけで、ちゃんと向き合えばわかってくれる、訳も聞かずに故障判定するだなんて、じゃあこの子は誰に愛してもらうのだ、とふがふがしていた矢先に週5で洗濯物をびちゃびちゃにしやがる様になったので仏のわたしも紅のテンションで買い替えダァ!とほら貝を鳴らし、非行洗濯機との決別を選択した。洗濯機だけに。

 

 

ちょっと遠くの大型家電量販店に洗濯機を見に行く。6年前の一人暮らし時代から使っていた洗濯機から比べると、柔軟剤を自動投入してくれたり、スマートスピーカーと連携して洗濯終了をお知らせしてくれたりと、テクノロジーの進化が伺える。売り場の隣は何故か筋トレコーナーになっていて、上の子がブルブルブルブル震えるマシーンに乗って筋肉を追い込んでいて、誕生日コレにする!と笑っていた。子が筋トレに夢中になっている隙に、店員さんを交えた家族会議の結果、いまより容量が多い洗濯機を購入することにした。筋トレマシーンは却下した。それが土曜日のはなし。

 

 

そうして今日の昼前には家に新しい洗濯機が来た。さようなら非行洗濯機、こんにちはテクノロジー。かわいらしい薄鈍色の洗濯機は洗剤の自動投入だけではなく、スマートスピーカーにも対応しているモデルで、設置業者さんに我が家にもGoogleのやつがあることを伝えると、サービスで設定方法を教えてくれた。大変ありがたい。洗剤と柔軟剤をセットして洗濯機を回すと、なんでこんな便利な機能が今まで当たり前に付いていなかったのだろうと不思議に思う。水が自動なんだから、洗剤も自動というのはそんなにも難しいことだったのだろうか。何にせよ、新しい洗濯機くんは非常に優秀である。洗濯の間にひと息ついて、子どもと闇のゲームに使用するルーレットを作っていると、Googleスピーカーから「洗濯機 フィニッシュドランニング」と必殺技みたいなセリフを抑揚のない声で告げられた。どうやら洗濯が終わったらしい。フィニッシュドランニング!なんて甘美な響きだろうか。わなわなと震えているその感情は歓喜そのもので、わたしの琴線に触れた確かな証明であった。すごいぞテクノロジー。洗濯物はしっかりと脱水されていて、当たり前のことまで何だが嬉しかったりする。