シュレティンガ―・無職

私は無職なのか、それとも。

6月8日であろう 〜寿司職人が来るよ〜

商店街を散歩するのが好きだ。

おそらく商店街の重鎮であろう、お肉屋さんのメンチカツをオヤツ代わりにかじりながら歩いていると、なんだか自分が物語の一部になれる気がする。自分の何気ない散歩が、虎の威を借りる狐みたいに「さくひん」に昇華されて、少し心地が良い。普通の昼下がりが、淡い昼下がりになるみたいな、そんな小洒落た背景に。

美しいみどり色したクリームソーダがディスプレイされた喫茶店の前を通ると、貼り紙を見つける。まさか閉店?こんなにクリームソーダが似合う喫茶店なんて、他にはないのに。勝手に絶望を感じて貼り紙を覗き込んでみると。

 

 

 

「○月×日 15時〜 寿司職人が来ます!」

 

えぇ!?あの寿司職人🍣が!?!?街にサーカスが来るよ!みたいなフォントで寿司職人が来ることをアピールしていて、少しわらってしまう。でも意味がわからない。何かの隠語なのだろうか。クリームソーダは何も語らない。私はスマートフォンを取り出して、カレンダーに寿司職人とだけ入力する。寿司が来るか、キダムが来るか。なんだかこの商店街は生きているなぁ、って思った。それにしても、寿司職人🍣が来るだなんて、、、わたしもうかうかしてなれないな。

 

写真を撮り忘れたことが悔やまれる。近くに新しいケーキ屋さんも出来るようなので、また様子を見にこよう。