シュレティンガ―・無職

私は無職なのか、それとも。

6月14日であろう 〜本棚と成長〜

今週のお題「本棚の中身」

 

はじまりは、確かベタに「ももたろう」だったと思う。次がカラスのパン屋さん。

子どもが生まれたときに、ロココ調の大変可愛らしい、ちいさな本棚を買った。少しずつ絵本を増やそうと思っていたら、その話を聞いた父が絵本30冊セットを買ってきて、いきなり半分以上埋まって笑ってしまった。現在、その本棚は寝室に置いていて、子どもが寝る前に好きな本を一冊選んで、それを読むことが我が家のナイトルーティンになっている。けれど毎日ローテーションで繰り返し読んでいると、子どもなりに一軍と二軍の絵本に別れてきて、一軍の絵本ばかり読むようなった。特にストーリーと言うよりは、イソップ物語に出てくる妙にてかてかしているハムだとかの食べ物のページが沢山載っている絵本が好きなようで、いまでもどれが1番食べたいか会議をよく開催するのだけど、結局いつもわたしとハムの取り合いになる。あめ色に輝く美味しそうなハムの魅力に気が付くとは、末恐ろしい我が子である。それから恐竜の図鑑だとか、よくわからないモンスター達が世界最強を決める戦いの軌跡を描いた本だとか、子どもが自分で選んだ本だとかも徐々に増えてきた。本棚に並ぶ年月のグラデーションを見ていると、寝室に置いたちいさな本棚は、子どもと一緒に成長していると感じる。誇らしくもくたびれていく絵本と、本棚の背丈を追い越した子ども。仕舞う本も少しずつ子どもっぽさが無くなってきて、本棚も歳をとるのだなぁ。いつか腰が曲がって、本が仕舞えなくなるのかな、と思った。


そうなると、ちいさな本棚には2軍の絵本を仕舞う余力はなくて、わたしの部屋にある本棚に移動しだした。わたしの部屋にある本棚はフタ付きのディスプレイラック式で日焼けやホコリが被りにくいので、歳を取らない本たちが暮らす格好の居場所となった。わたしは歳をとるけれど、歳をとらないあなたたちも、きっと良い想い出になるでしょう。