シュレティンガ―・無職

私は無職なのか、それとも。

7月28日であろう 〜夏のPARCO〜

生理現象というものに真摯に向き合った人類は、トイレというセーフティハウスを作成することに成功した。私がPARCOのトイレに入ると、即なんとも言えない違和感を感じる。トイレには不釣り合いな銀色の円柱形がひとつ。トイレットペーパーホルダーの上部には、ウォールナットの小さな天板が貼り付けられていて、小物を置くテーブルの役割りも兼ねている。そこに、何故かサーモス社製の銀色のタンブラーが置いてあった。氷が溶けにくいやつ。今年の夏のPARCOはこういう感じで行くんだろうか?わたしの夏は、とけにくい。みたいなキャッチフレーズ。それとも、とけないで、夏。の方が行くのかな?

 

こしを下ろして一考。いや、けんにょうだろうか。しかし、私の"にょう"を、こんなタンブラーまで使って、鮮度と濃度を保ちつつ運搬する必要がどこにあるのだろうか。中を除いてみると、中には何も入っておらず、直前まで冷蔵庫に入れられていたのだろうか、とても冷たい。私の"にょう"をキンキンにしたいのだろうか。なめらかな銀色の手を握り、すぐさま思考は宇宙に接続される。キンキン……キンキン………。

そうか、今年のPARCOは、キンキンでわたし。で行くんだな、きっと。

 

帰り際にもう一度トイレを除いてみると、タンブラーは無くなっていた。きっと誰かが、けんにょうしたに違いない。