シュレティンガ―・無職

私は無職なのか、それとも。

7月29日であろう ~カチカチすいみんやく~

おはようの反対。「おやすみなさい」っていうのは、自分を讃えるための言葉だ。私の中では、美味しいごはんを振る舞う時の「めしあがれ」の類いだと思っている。ふかふかの布団に、ちょっと固めのまくら。さりさりとしいてて、エアコンでよく冷やされたシーツ。お気に入りのインディーズ・バンドのTシャツ。(パジャマ)

しゃかいのあらなみにもまれ、今日を生き抜いた自分のからだを、限界まで甘やかすフルコース。私がいちばん自由になれる時間でもある。自由な私は、入眠前に強い光を目にすることは良くないことと知りつつ、ついついスマートフォンをいじってしまう。別に見たいわけでもない、無味無臭のネットニュースだとかが目に飛び込んでくる。だけど、海の家で食べる「具なし焼きそば」が無性に美味しく感じるように、寝る前の不必要な情報は、妙に孤独感が薄れて心地よく感じる。たぷたぷとスマートフォンをタップする指が、少しずつのろくなるのが分かる。でもたぷたぷじゃ、本当はすこし物足りない。わたしは、カチカチの方が安眠できるタイプの人間なのだ。

 

パブロフの犬的なやつ

社会人なりたてのころ、完全にスマートフォンが普及してきていて、スマホ派が完全にガラケー派を魔女狩りしていた暗黒の時代であった。

わたしもiPhoneを愛用していたのですが、当時お付き合いしていた恋人は、スマートフォンに故郷の村を滅ぼされたのか、と思うほど新しいテクノロジーを目の敵にしていた。そして、いつも私がフリック入力が出来なくてたぷたぷ画面をタップする姿を見ては、「ガラケーに未練があるんだね。ガラケーは良いぞう。」と笑っていた。

当時、私は一人暮らしをしていて、休日には実家暮らしだった恋人がよく泊まりに来ていた。恋人が持つお気に入りのガラケーには、よくわからない熊の腕みたいなストラップが付いていて、中国の漢方にこういうのあるよなあって、よく考えていたのを覚えている。
シングルベッドは二人で寝るには狭かったけれど、背を向ける恋人のガラケーから聞こえるおやすみの挨拶が、カチカチカチカチカチカチカチカチ。恐らく誰かにメールを打っているであろう不規則なリズムがなんだか妙に心地よくって、すぐに眠ってしまう。ガラケーに未練なんて無いけれど、このカチカチ音は必要だよジョブズ。私の中のパブロフが、そう言って眠るのです。カチカチカチカチ。

 

オススメカチカチ南総里見八犬伝

安眠出来るカチカチ音の条件は、以下3つ!!!

1. 声はいらない。カチカチだけ。(超重要)
2. ポチポチじゃなくてカチカチ。(超重要)
3. リズムが不規則であること。(超重要)

この条件を満たした究極の動画がYouTubeにありますので、眠れない夜には是非、お試し下さいませ。

youtu.be

 

 

明日よりヴァケーションを頂きまして、ヴァカンスに行ってまいりますので、そこはデンパァの無い国ですので、しばらく更新おやすみなさい。それでは皆様、おやすみなさいませ。カチカチカチカチ。