シュレティンガ―・無職

私は無職なのか、それとも。

6月28日であろう 〜起きて5秒の思考戦〜

夜職の友人がいて、時々わたしが絶対寝てるであろう時間帯(深夜2時とか)に連絡をしてくることがある。何してる?といった無味無臭の質問が多くて、たぶん酔っ払っているのでこういう水みたいな何でもないやり取りを本能的に求めているのだと思う。もしかして本人的には返答なんてどうでも良くて、日常と非日常のコントラストを眺めているだけなのかも。大抵は気が付かないまま寝ているか、メッセージをみて力尽きてしまうのだけど、たまには相手に「なんじゃそりゃ」と思わせたい。水のはずがチャミスルだったみたいな、びっくり感とナナメウエの返答だけが、物語を作るのだ。なんだけど、いつ来るかもわからない、ましてや寝起き5秒で気の利いた返答はなかなか難しい。大抵は無味無臭の水を出してしまい、特にそのあと繋がることは無い日々が続いていた。いや、特に続かなくても良いのだけれど。

 

 

深夜。

スマートフォンの通知音で目が覚める。誰かからメッセージが来たようだ。時間をみると3時33分。ゾロ目だぁ、なんて思っていたら「何してる?」の文字。寝てるに決まってるじゃないか、と思いながら寝起き5秒で「花の香りを楽しんでいるの」と返す。寝起きのゆびから放たれた非日常は無味無臭の水をチャミスルに変えた。

「え?どういうこと?」

食らいついた。やったね。満足して、わたしは寝た。