シュレティンガ―・無職

私は無職なのか、それとも。

1月22日であろう 〜マイティちから〜

ぴしゃごろん。

3歳になる我が子の映画館デビューをしなければ、と天啓のようないかずちを受けて、休日は映画館に行くことにした。わたしはゴリゴリのアクション映画が好きなので、子どもにエクスペンダブルズとパウパトロールどっちが観たい?と聴いたらパウパトロール!という回答がありましたので、パウパトロールなのであります。

https://www.pawpatrol-movie.jp

 

パウパトロール ザ・マイティムービーという映画なのでありますが、大変面白かった。普段から我が子に付き合い、パウパトロールは観ていたのですが、いつものほのぼのとしたトラブル解決は一切無くて、いつ人が死んでもおかしくないトラブル満載だったのが、なんだか可笑しかった。公式サイトでも、5つのマイティポイント!のひとつに「絶対に飽きない10のトラブルマイティパウっと解決!」とあって、トラブルは明確なエンターテイメントと理解されており、それら撮れ高のあるトラブルたちは、いつか来るであろう劇場版のために温存していたのかもしれない。映画館にいる子ども達は、トラブルの度に笑い、叫び、パウパトロールたちを応援していて、たいへん子供らしく、映画館であってもキチンと感情を露わにする情景は正にエンタメであった。わたしは昔観た映画で、ナチスの活躍を大喝采する軍人達のシーンを思い出した。そいつらはみんな最後には焼死したのであります。

劇中ではマイティパワーに目覚めたパウパトロール達が新たな力でトラブルを解決するのですが、ある1匹のわんちゃんがひょんなことからマイティパワーを失ってしまってしまうのだけど、マイティパワーを失ったら急に戦力外通告みたいなことをされていて、マイティパワーがあるから!みんなの価値基準がマイティパワーありきになってしまっている!と大変ふがふがした。人間は大いなるチカラを手に入れると、いつしかその享受されたチカラを己だけのものと勘違いして盛者必衰。マイティパワーに支配されてしまっているケント君が。マイティパワーありきでトラブルを解決しようとしてしまっている。マイティパワーがあるもの、マイティパワーを失ったもの。そんなラベルで区別される世界。わたしがマイティパワーを手に入れたら全てのマイティパワーを破壊して、そして最後にはわたし自身も消えようと誓います。マイティパワーなんてものがあるから、世界は正しい天秤のカタチを保てなくなって、それはナチスの再来を意味するのであります。マイティパワーマイティパワーマイティパワー。パウパトロール達には、もうとっくに勇気とか絆とかなんとかそんなマイティパワーがもう既にあるじゃないかそれはマイティパワーじゃないのかじゃあわたしが抱えている、バスケットになみなみと満たされた、このキャラメルポップコーンの甘美さは何マイティパワーなのか。教えてチカレッタ。

そんなわたしの心は知らず、我が子は映画館を大変気に入った様子で、明日もパウパトロール観に行く!と大変喜んでいた。めっちゃマイティパワーじゃん、と思った。記念に売店でパウパトロールのグッズを買って、よく見たら全然劇場版と関係ないグッズで失敗したなぁと思っていたけど、大変喜んでいた。めっちゃマイティパワーじゃん、と思った。